知財を活用した事業化 販路開拓…
ビジネスプロデューサー事業

 今年度で3年目を迎えた「福島知財活用プロジェクト」。特許庁が福島県で取り組む本プロジェクトの事業や事例について14回にわたり紹介していく。

ドライヘルパー 下

支援ポイント

・大手小売事業者との知財を活用した商品化交渉
・販売計画の交渉・助言

美里の小学生の特許を商品化する企業側の思い

「感動をお客さまにも」と話す城戸さん「感動をお客さまにも」と話す城戸さん
 東京に本社を置く100円ショップ大手のキャンドゥは全国に1000店舗以上を構える東証一部上場企業で、県内には10店舗がある。その大手が会津美里町の高田小6年、関本創(あらた)君が取得した特許を使い、物干し補助具「ドライヘルパー」として商品化し、来年1月下旬~2月上旬ごろに全国で販売を始める予定だ。
 創君のアイデアと大手企業を結び付けたのは特許庁の福島知財活用プロジェクトのビジネスプロデューサー(BPD)派遣事業。BPDの増山達也さんがキャンドゥに商品化を相談したところ、快諾された。増山さんは創君の親孝行の純粋な思いをいかに形にするかにこだわり、キャンドゥに説明した。
 キャンドゥ社長の城戸一弥さんは「お母さんの役にたつように、という思いもアイデアも素晴らしく、感動した。この感動は、ぜひお客さまにも届けたいと思った」と振り返る。城戸さんは2011年2月、東証一部上場企業で当時最年少の25歳で社長に就いた。創君も「小学生が特許を取得し、実際に商品化されることは極めてまれだ」と知財関係者から評された。
ドライヘルパーのモデルドライヘルパーのモデル
 キャンドゥにとって、顧客の提案や要望を商品に反映させたことはあったが、特許を使用した商品化は初めてだった。方針が固まると、マジックテープだった商品の留め具部分を押し込み式に変更し、より使いやすくした。商品名は創君が考えた名称を採用。何より、創君の商品への思いを伝えられるように、パッケージには商品開発のきっかけや、創君の手書きの企画図、メッセージ、写真を印刷した。創君を応援したい思いを込めた。特許を使用するために創君と使用料を支払う契約を結んでいる。
 創君は「商品が早く完成し、少しでもお母さんたちの家事が楽になればうれしい」と夢を膨らませる。城戸さんは「今後も創君にアイデアを出してもらい、商品を開発していけるといいね」とエールを送っている。小学生のアイデアが知財活用支援機関のさまざまな後押しで知財化され、共鳴する企業による商品化につながり、全国販売されていく。「ドライヘルパー」には創君や関係者の思いと知財活用の力が込められている。

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