知財を活用した事業化 販路開拓…
ビジネスプロデューサー事業

 今年度で3年目を迎えた「福島知財活用プロジェクト」。特許庁が福島県で取り組む本プロジェクトの事業や事例について14回にわたり紹介していく。

事業創出検討会議 再録(上)

BPDの役割

知財を活用した
 ・地域課題の解決
 ・エリア・系列・しがらみを超えた連携
 ・新たな価値・マーケットの創造
 ・永続性のある成長支援の実行

BPD派遣事業で県内の知財活用促進

 郡山市で十一月二十五日に開催された特許庁の事業創出検討会議では、県や市町村職員、団体職員らがオンラインで参加し、福島県知財活用プロジェクト事業の効果や企業の支援方法について理解を深めた。
■プロジェクト事業責任者・赤穂州一郎 特許庁普及支援課企画調査官
 特許庁が福島県に特化した「福島知財活用プロジェクト」は、福島イノベーション・コースト構想の取り組みや産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所の開所など県内での知財が生まれる環境整備の進展を受け、二〇一八年度にスタートした。同年から知財の意義についてイベントや広報で周知する「広報事業」、翌二〇一九年度に知財関係者のネットワーク形成や県内での知財活用の成功事例を作るため「福島ビジネスプロデューサー(BPD)派遣事業」を始め、二本柱で取り組んでいる。
 プロジェクト三年目の今年度も引き続き、BPDの増山達也氏が県内事業者の知財活用の事業化を支援し、その支援手法を県内の各自治体や支援機関、金融機関が共有できるよう意見を交換しながら勉強できる場を設けている。事業を通して県内での知財活用を促し、支援の輪を広めていきたい。
ビジネスプロデューサーの役割について話す増山氏ビジネスプロデューサーの役割について話す増山氏
■特許庁BPD・増山達也氏
 県産業振興センターに籍を置き、県内外の識者で構成する有識者委員会からの助言を受けて企業のマッチングやビジネス化を促進させている。地域課題に耳を傾け、エリアや系列、しがらみを超えて、時に異業種の企業をつなげて新たな事業や商品を生み出していく。事業化や商品化した後の技術やブランドを守り、価値を高め、信頼を得るための特許権や意匠権、商標権などの知財取得を絡めて永続性のある成長支援も行っている。
 支援先の企業を初めて訪問する際、企業のビジョンや経営者の考えを理解し、売り出したい主力製品や他の製品の歴史や特長、知財出願、売り上げ状況、商品競合との対応策など詳細なヒアリングを行う。地域とのつながり、消費者の傾向など多角的に考え、人を引きつける商品に仕立て上げていく。着物の生地でイスラム教徒の女性衣服を製造・販売している「WATASl JAPAN」(白河市)には地元縫製企業と連携促進、着物レンタル事業や「観光案内所」でのヒジャブ体験の導入を展開した。「海老根伝統手漉(てすき)和紙」を使った応援グッズを開発した「アサヒ研創」(郡山市)は地元スポーツチームとのグッズコラボ、「鈴木農園」(同市)は人気キャラクターとなめこラーメンの知財の組み合わせを事業化に結び付けた。
 今後は大手企業、地銀、中小企業・ベンチャー企業などと連携した県内ネットワークの構築や事業化支援を行う持続可能な仕組みづくりに取り組みたい。(次回は「支援機関から見たBPD」)

特許庁ビジネスプロデューサー(BPD)派遣に関する問い合わせ

知的財産取得に関する問い合わせ

 INPIT福島県知財総合支援窓口
  TEL:024-963-0242
  メール:office@fukushima-i.org