知財を活用した事業化 販路開拓…
ビジネスプロデューサー事業

 今年度で3年目を迎えた「福島知財活用プロジェクト」。特許庁が福島県で取り組む本プロジェクトの事業や事例について14回にわたり紹介していく。

鈴木農園 上 - 郡山市 -

支援事業のポイント

・他業者の商品との差別化
・知財の強みを組み合わせる戦略
・子どもも引き付ける

知財×知財 ナメコと人気キャラクターがコラボ

鈴木清美さん栽培施設でナメコの
特徴を話す清美さん
 積み上げられた瓶の中には十種類以上の栄養体をブレンドしたおがくずが詰められ、ナメコの種菌を植え付けてある。ナメコは六十五日前後で収穫するのが一般的とされるが、郡山市の鈴木農園では約九十日かけてじっくりと根を張らせ、おがくずの栄養分を吸収させてから「一番採り」のナメコを収穫する。さらに三十日後に「二番採り」を収穫する。普通サイズのナメコは「かさ」部分が直径一㌢ほどだが、大きいナメコは五百円玉ほどに育つ。収穫までの日数を調整して大中小七種類の大きさのナメコを生産し、東日本のスーパーなどに卸している。同じ菌でつくる種類の多さは全国でも珍しいという。
 百二十日かけて育てる「ジャンボなめこ」は全体の一割しか取れず、数が少ないため飲食店や宿泊施設などから比較的安定した注文がある。半面、それ以外の中小サイズのナメコの販路に課題があった。おいしさは「保証付き」で、見せ方を工夫し、さまざまな料理のレシピ作りも挑戦したが、店頭で主婦ら購入者を引き付け続けるには何かが足りなかった
「なめこ栽培キット」の「なめこ」コラボする「なめこ栽培キット」
の「なめこ」
ⒸBeeworks/SUCCESS
 鈴木清社長の長男清美さんから課題を聞いていた東邦銀行専務の青木智さんは、特許庁の支援事業で新たな展開につなげられないかを増山達也特許庁ビジネスプロデューサー(BPD)に相談した。増山さんは価格競争に陥らず適正価格で事業を拡大できる戦略として、知財による強みを持つ人気キャラクターとの組み合わせを提案する。
 鈴木農園の「万能なめこ」(商標登録)と、世界的知名度を持つ「なめこ栽培キット」(商標登録)のキャラクター「なめこ」をコラボさせる、いわば知財と知財をコラボさせ、商標制度のもつ消費者の事業者に対する信用や安心感を高める効果をもたらす戦略だった。キャラクターを所有するビーワークス(東京)にとってもナメコ業者との連携は認知度の高まりが期待でき、使用を快諾してもらった。
 まずは商品袋にプリントするデザインを検討している。千種以上とされる豊富なキャラクターから商品特性に合ったキャラクターを選ぶ考え。また、しばしば別のキャラクターをあしらった袋を少数入れることで、レア感を出すことも検討している。来年二月ごろにも新パッケージで全国へ売り出す予定だ。清美さんは「子どもの目を引くキャラクターのため、親子で買い物をする際に子どもから『買って』と言ってもらえそう。子どもの食育にもつながる」と期待を寄せる。ビーワークスが持つキャラクター活用のノウハウを生かし、清美さんは新たなプロモーション方法も検討していく。(次回=新たな販路拡大)

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