知財を活用した事業化 販路開拓…
ビジネスプロデューサー事業

 今年度で3年目を迎えた「福島知財活用プロジェクト」。特許庁が福島県で取り組む本プロジェクトの事業や事例について14回にわたり紹介していく。

人材育成 - 現場編 -

育成事業で期待できる効果

・各支援機関の連携による事業者への包括的な支援が可能
・支援機関間の専門知識の共有・知識のブラッシュアップ(磨き上げ)が可能

知財活用推進支援機関が「白河焼」復活に協力

意見交換する参加者「白河焼」の構想について
意見交換する参加者
 特許庁は、福島知財活用プロジェクトで展開しているビジネスプロデューサー(BPD)派遣事業に併せ、知財を活用し企業のマッチングやビジネス化を促す人材育成事業もスタートさせている。
 知財活用を推進する支援機関を対象としており、県、市町村、商工団体、金融機関、県発明協会、県産業振興センター、県ハイテクプラザ、県よろず支援拠点、地域の産業振興団体などで、日ごろから企業と接している。大堀相馬焼窯元の錨屋(いかりや)商店(白河市)十三代目の山田慎一さんはかつて製造されていた「白河焼」を復活させ、新しい地場産品として販売しようと特許庁のBPD派遣事業に相談しており、支援機関は十月二十二日、打ち合わせに参加した。
 福島大学地域創造支援センター副センター長で教授の大越正弘さんは白河焼の歴史的視点や定義付けの大切さを助言した。「白河焼という一度なくなったものを復刻させ、地域の活性化を図るこのプロジェクトに非常に興味がある。ぜひ成功させたい。福島大は芸術や古文学の先生がおり、つなぐことができる」と積極的に協力する考えを示した。
 東経連ビジネスセンター事業化コーディネーターの宇野秀隆さんは「山田さんは浪江町から避難しているが、避難先の地域も盛り上げようと活動している。以前から山田さんとは親交があり、二本松市に仮設店舗を作ったときに支援を担当した。何らかの形でビジネス化を手伝えれば」とアイデアを巡らせていた。
 知財活用面でも期待が膨らむ。県発明協会内にあるINPIT県知財総合支援窓口で窓口支援を担当する田島隆博さんは「白河焼を初めて知った。歴史やルーツが面白い。昔からのストーリーがあり、地域資源を活用した地域ブランド化は地域の活性化につながる。窓口では地域団体商標権の取得、地域ブランドの作り方など知財に関する支援を行っている。白河焼はまさに地域ブランドになる」と知財による付加価値づくりに意欲を見せる。
 地元も熱いエールを送る。白河市商工課商工振興係主任主査兼係長の青木達也さんは「白河焼は市内に住んでいる住民にもあまり知られていない。白河の魅力を発信できるきっかけになればありがたい。市としても情報提供をしていく」と協力を惜しまない考えだ。
 今回の支援機関の参加について産業サポート白河副所長の林和俊さんは「支援機関からのさまざまな意見を聞き、山田さん自身が『大きなヒントになった』と話していた。異なる分野の専門家が事案に関わり連携していくことで、課題が解決していき、新しい事業を作り上げられるのではないか」と語る。支援機関のための人材育成事業が、企業の開発段階から専門的知見を出し合い、知財を生かした商品化をサポートしていく相乗効果を生んでいる。
 支援機関は今後もBPDが企業に訪問する際に同行し、BPDの役割を学びながら可能な協力について考えていく。

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